2012.12.10 Monday
それを見て、
「いつもぼーっとしてる。」
とか、
「こどもなのにやる気がない。」
そういう風に、
お母さんには見えたらしい。
ある冬の日
「子供は外で遊んでいらっしゃい。」
とスキーウエアと手袋をつけて外に出された事があった。
「子供なら雪とたわむれてワイワイキャーキャー走り回ったりするのがふつうなんだから。
、、、なのにあんたは、、」
外に私を出してから
窓から様子をのぞいてみると、、
私は雪の中で
寝ていた。
らしい。。。
「だから母さんは、ああ、この子は変わってるな、って思ってたの。」
私がイラストレーターを始めたばかりの頃、
私のお母さんは円山という地域でカレー屋さんをしていて、
私はそのカレー屋さんを手伝っていた事があった。
その時に、
お母さんが私に教えてくれた話だ。
お母さんが私を「変わってる子」と思ってるなんて知らなかったから、
若干ショックだったけど、
それよりショックなのは
私が雪の中で寝ていた訳じゃないっていう事。
「おかあさん、私寝てたんじゃないよ。
雪の中で寝たら死んじゃうでしょ。。。
そんな事しない。」
「え?そうなの?じゃあ、何してたの?」
「空、見てた。」
「空、、、、、、。そう、、、まあ、ね、だから母さん、昔からあんたは少し変わってるって思ってたの。」
イラストレーターになりたい。
なんて言い始めた私へのお母さんの印象は
「やっぱり変わってる子。」
だった。
私は小さい頃、
冬の日はよく一人で雪の中で寝転がった。
そして
空とか、
雲とか、
雪がちらちら降るのとか、
自分の息が白いのとか、
雪が積もると音がこもって静かになるのとか、
冷たい雪が溶ける音とか
そんな事を感じながら
雪について、冬について考えたりした。
そう、
それで、今日、ホリーの散歩に行った時に
急に雪の上に寝転がりたくなった。
それで、迷惑そうなホリーを引っ張っていって
ひらけた、ふかふかの雪の場所に行って
雪に寝転がってみた。
もう日が暮れて、空は群青で
小さな星が寒そうに
いくつかちらちら光っていた。
私の息の白いのと、
夜空に浮かぶ雲が同じ色で
ほんとはもっとそこに寝転がってたかったけど
変な人に思われない様に、
すぐに起き上がって
私はまた歩き出した。
そら